大阪の串カツ屋さんで食事をした時、お店のマスターとお酒の話をしていた。
そこはお酒の種類が豊富だった。
主人は過去にバーテンダーをしていたそうで、僕は親父さんでも大将でもなくマスターと呼んだ。
「好きなお酒は何ですか?」と僕は訊いた。
『どれが好きかなんて決めちゃいないよ。これが好きだなんて言ったら、お酒が喧嘩しちゃうだろ』とマスターは答えた。
それ以来「好きなお酒は?」と訊かれる度に、
「僕は何でも好きだよ。でもカクテルが一番好きだ。魔法みたいだから」と答えている。
だけどさ
「何でも好きだよ」は難しいなって時もある。
人と人の話となれば、喧嘩してでもハッキリしなきゃいけないことがある。
こればっかりは魔法とはいかないからね。
