休む場所も無い。
気の毒だったから音楽を整理した。
眺めると色々な音楽がある。
もう触れない音楽、
たまに仲良くなる音楽、
何処かで巡り合ってから傍にいる音楽。
それらとは違う存在の音楽もある。
その音楽はレコードだった。
骨董品屋にそのレコードは居た。
素敵な邦題と絵。
僕はそのレコードを部屋に飾っていた。
それを眺めながら、歌や音楽を妄想して、僕は勝手にその作品を頭の中で創っていた。
そこには18歳になって42日目の音楽であったり、20歳を迎えてから279日目に感じた音楽がある。
その日に生まれた音楽は、その日で消える。
だから、今日感じた音楽も今日だけのものだ。
実際にこのレコードを聴いた事は一度も無い。
今日のようにそれが目に入ると、僕はイメージを想い浮かべて終わる。
僕はそれ以上踏み込まない。
きっと本当の音を聴く事は一生無い。
人間関係の中にも、同じ様な事が稀に訪れる。
手招きしてくる過去と触れてから、少なくとも僕の近くにそれは何度かあったことを知る。
想いのまま残しておきたいこと。
また少し変わってしまう。
音が聞こえたその後に。
