「お前1人か?」
『おかしな事を言う。乱視?この車の助手席に僕以外誰かいる?』
「違う。まだ1人なのか?彼女は」
『毎回思うのだけど、1、2週間で直ぐに恋人ができるわけないじゃないか』
「それは知らねぇ。お前がだらしねぇからだ」
『くっ。あ!お父様!良いことを思い付きました』
「……」
『もし僕に恋人が出来ましたら、もうその瞬間に御連絡をいの一番に差し上げますよ。だから僕にいつもいつも恋人が出来たのか確認しなくてもこれで大丈夫。できたら!!恋人できましたら!!直ぐに電話して!その子の声を聞かせったりますよ!ね!?わー安心!』
「……なさけねぇな」
『はい。なさけねぇいただきましたー』
というわけで、ここ最近『だらしねぇ』に加えて『なさけねぇ』というお言葉まで父からいただきました。こんばんは、ロブロイです。
実家に帰る度《なぜ、お前には恋人がいないのか?》という御題目に従い、父と僕の間で会話が交されている昨今、僕もそろそろ理由が知りたくなってきました。
そもそも僕の傍に恋人が居なくなって、どれくらいの月日が経過したのかをまず計算。
1年と2ヶ月。
これが僕にとって長いのか短いのか……わかんない。という時点で駄目なのかもしれない。
焦っていないというか考えてない。父に聞かれないと未来の恋人について考えることがない。
未来のマイガールが何処にいて、どう出会うのか最近は全く分からない。←良く考えたら、あんまり考えたことなかった。
父の言う通り、僕はだらしなくてなさけない男である。今までも自分からこう!なんて言うんですか?こうっ!いくことがほとんどなかった。なんとかしなきゃいけないかもな、とは思うんだけどさ……
『じゃ始めっから受け身のスタンスかと言えば、別にそうじゃないよ。誰かが僕を拾い上げてくれるだろうよ、なんて考えていない。ということはやっぱり僕がこう!こういう感じにならないと駄目なわけです!!いや僕だって、あ!この人だ!ってなった時はもうすごいですよ!もう攻めすぎじゃないかってくらいすごいもんです!あれ本当に電気が走る感じだよね。あ、この人と一緒になるしかないなってあのやつ!』
「良くあるの?」
『ううん。一回だけ』
「あんたさ、それ待ち?」
『うん』
「……あんた、こじらせてるよ」
『え?なんで!?あ!でも深津絵里とナタリー・ポートマンのどちらかといつか結婚すると思っていて、ナタリー・ポートマンは最近結婚しちゃったろ?だから深津絵里しかもういないわけだけど、僕らけっこう年の差あるのに気付いたんだ。まあ関係ないけどね』
「なに中学生みたいなこと言ってんの。終わってるわ。あんた」
『いや、だから始まってないんだって』
