そこを走り抜けると花が咲く。
その時々にはシャボン玉が舞う。
犬や猫達のファンファーレも用意する。
始めは白黒の景色だから、昼か夜かもわからない。
僕は走り抜ける。
走り抜けようとすれば全てに色が宿る。
足下にはオーロラが落ちている。
雪が降りそうだ。
景色に青みが増して行く。
その雪は辺りを白くは染めない。
僕は全てが冷たいコンクリートで出来ているのを感じる。
夜になって
昼を2回迎えて
朝に戻って
しばらくは夜が続く。
空しさやら物哀しさがずっと僕に付き纏う。
今にもこの先にも幸せがあるとは思えないから、どうしたら良いかわからない。
だから走っている。
もっと早く。走る。
でも、走る続けるならやっぱりこういう景色でなくちゃ面白くないよ。
別にそんなでもない。
それは本当じゃない。
僕はあの人を好いてはいない。
でも、好いていることにしてしまう。
僕は一番寂しくて、色鮮やかな真昼間がずっと続くものを選ぶ。
それはずっと繰り返される。
